


2025年4月5日~6日にチャンピオンズリーグ2025宮城(以下CL宮城)が開催されます。
使用デッキの選択や細部の調整に迷っている方に向けて、当日のデッキ分布の予想と人気デッキの構築トレンドを紹介していきます。
最新弾「熱風のアリーナ」の影響
3月14日に「熱風のアリーナ」発売で環境は大きく変化しましたので、まずはその影響から確認してみましょう。
新弾で最大の変化は《シェイミ》の登場です。
ベンチ狙撃を封じられるようになったことで新弾前まで猛威を振るっていた「宝石バレット」が急激に数を減らすことになりました。
ただ、実際の採用率はそれほど高くはなく、最も採用されている「ドラパルトex」でも3~4割ほどにとどまっています。
次に大きな影響を与えたのは《イワパレス》です。
いわゆる「しんぴ系」の能力を持っており、ポケモンexからのダメージをシャットアウトできます。
これまでの「しんぴ系」のポケモンの中でも飛び抜けてHPが高いので、対策なしでは完全に詰むデッキも多くいます。
このカードの登場で各デッキは「非ルールのアタッカー」を採用することを求められるようになりました。
ただこうした「メタデッキ」の特性上、流行すると対策札の採用率や耐性があるデッキが増えていくので、長く環境に居続けるのは難しいという問題があります。
実際に発売初週~第2週までは活躍していた「イワパレス」ですが、直近の第3週にはほとんど姿を消してしまいました。
「対策札」の代表となったのが《ヒビキのバクフーン》です。
容易に高打点が出せる非ルールのアタッカーとして「サーフゴーex」や「ドラパルトex」が取り込んで活躍しました。
その他の対策札としては《レントラー》や《パルデアケンタロス》などが採用されました。
最後は《シロナのガブリアスex》もしっかり活躍しています。
詳細は後ほど解説しますが、環境最強である「ドラパルトex」に対して強いためにシェア率を増やしています。
これらの影響もあって直前のシティリーグの結果は以下のようになりました。
3/24~3/30 TOP16入賞デッキ分布

デッキタイプ | 入賞数 | 優勝数 | シェア率 |
---|---|---|---|
ドラパルトex | 174 | 17 | 21.8% |
タケルライコex | 157 | 15 | 19.6% |
ブリジュラスex | 76 | 5 | 9.5 % |
サーナイトex | 60 | 3 | 7.5 % |
リザードンex | 54 | 2 | 6.8 % |
シロナのガブリアスex | 44 | 3 | 5.5 % |
サーフゴーex | 40 | 0 | 5.0 % |
宝石バレット | 29 | 1 | 3.6 % |
ブイズ | 19 | 0 | 2.4 % |
ヒビキのバクフーン | 17 | 1 | 2.1 % |
その他 | 130 | 3 | 16.3 % |
合計 | 800 | 50 | 100.0 % |
※データは公式のイベント結果一覧 | トレーナーズウェブサイトに記載されているマスターリーグの結果を集計した値です。
環境の中心は相変わらず「ドラパルトex」と「タケルライコex」で、両デッキを合わせると優勝数で6割、入賞数でも4割を超えています。
まずはこの2デッキの構築から確認してみましょう。
「ドラパルトex」の構築トレンド
少し前まで「ドラパルトex」はエーススペックに《アンフェアスタンプ》する構築が中心でした。
ただ、最近は「タケルライコex」が暴れている関係で再び速さが求めれるようになり、《きらめく結晶》を採用することが多くなってきました。

戦績:三洋堂書店 新開橋店 優勝
開催日:2025年3月29日
【デッキコード】QNgngn-uQSUOR-g6giQg

戦績:秋葉原チェルモ 優勝
開催日:2025年3月31日
【デッキコード】MpXXpX-pEIS0N-3SMpyX
その他《シェイミ》《マシマシラ》《ルチャブル》の3種から1~2枚採用するのがトレンドです。
ミラーでの強さに加えて、苦手な「サーナイトex」や数を増やしつつある「シロナのガブリアスex」への対策を考慮すると《マシマシラ》は採用しておきたいように思えます。
《シェイミ》は採用しないことが多かったのですが《タケルライコ》のベンチ狙撃を無視できなくなってきているので、こちらも抜けなくなってきました。
《ルチャブル》もゲームを終わらせるカードとして非常に優秀なのでこちらも捨てがたいです。
どこを採用するかはプレイヤーの環境読みの精度が問われる問題ですので、当日の見どころの一つになりそうですね。
上位デッキとの相性はこんな感じです。
デッキタイプ | 相性 |
---|---|
タケルライコex | 五分 |
ブリジュラスex | 有利 |
サーナイトex | 不利 |
リザードンex | 有利 |
シロナのガブリアスex | 不利 |
サーフゴーex | 不利 |
宝石バレット | 不利 |
「タケルライコex」の構築トレンド

戦績:チェルモサード 優勝
開催日:2025年3月30日
【デッキコード】DDDccx-S3kw8D-xa8cYc
「タケルライコex」は変わらず「宝石型」が活躍しており、サイドアタッカーとして《コライドン》《タケルライコ》を1枚づつ採用するのがトレンドです。
特に《タケルライコ》のベンチ狙撃が優秀で、これまでの「タケルライコex」にはできなかったサイド1を押し付けるという戦略を獲得しました。
「タケルライコex」と対戦する場合、サイドを2:2:2で取り進めて相手の速度に対抗するというプランを取るデッキが多いので、無視できないサイド1のアタッカーがいるのは確かな脅威となります。
《シェイミ》の採用率の低さも相まって《タケルライコ》は非常に強力なアタッカーとして活躍しています。
そしてこれを活かすために《エネルギーつけかえ》や《アカマツ》を採用するようになってきています。
またスタジアムは《ジャミングタワー》1枚《ゼロの大空洞》2枚を採用する構築が人気です。
各デッキが「ドラパルトex」への対応に追われているところなので、非常に伸び伸びと勝てている印象があります。
この状況が続くようであればCL宮城では優勝も十分に期待できそうです。
上位デッキとの相性はこんな感じです。
デッキタイプ | 相性 |
---|---|
ドラパルトex | 五分 |
ブリジュラスex | 有利 |
サーナイトex | 不利 |
リザードンex | 不利 |
シロナのガブリアスex | 有利 |
サーフゴーex | 有利 |
宝石バレット | 不利 |
「ブリジュラスex」の構築トレンド
「タケルライコex」「ドラパルトex」を追いかけるのが「ブリジュラスex」です。
構築としては「どく」ギミックを採用した型と非採用の型両方が活躍しています。

戦績:Japan TCG Center 優勝
開催日:2025年3月30日
【デッキコード】SUySpX-aLZ9ih-3XyXyp

戦績:竜星の嵐 十三店 優勝
開催日:2025年3月31日
【デッキコード】KDx8c8-77bw4u-D8JcY8
どちらの構築にも魅力がありますが、最近の流行は「毒ブリジュラスex」です。
もともと「ブリジュラスex」は、新弾前に「宝石バレット」に強いデッキとしてシェア率を伸ばしたデッキですが、現環境の2トップには有利が付かないデッキです。
新弾が発売されて環境への適応が求められた際、「ドラパルトex」に勝つプランを作ろうとして生まれたのが「毒ブリジュラスex」です。
「ドラパルトex」が後攻を選択するデッキなので、もらった先攻の1ターン目にそのまま勝ってしまえばデッキ相性を無視できるではないかという発想ですね。
実際に先攻ワンキルの成功率を考慮するとやや「ブリジュラスex」が有利と言えるようです。
ただ問題なのは「どく」ギミックの枠を捻出するために「ブリジュラスex」の進化ラインや《ホップのバイウールー》を不採用にしているので、先攻ワンキルに失敗した場合の安定感や対応力は大きく落ちている点です。
その点を考慮して高耐久による受け回しを重視しているのが「どく」ギミック非採用型です。
安定感も高いですし、「どく」を意識して対戦開始時にベンチにポケモンを置かれるようになってきたことも考慮するとCLでこちらが活躍する可能性も十分あります。
どちらの構築も長所と短所があり、型によってやや相性は変わるのですが、上位デッキとの相性はこんな感じです。
デッキタイプ | 相性 |
---|---|
ドラパルトex | 微不利 |
タケルライコex | 不利 |
サーナイトex | 有利 |
リザードンex | 不利 |
シロナのガブリアスex | 不利 |
サーフゴーex | 有利 |
宝石バレット | 有利 |
「サーナイトex」の構築トレンド
2トップの両方に強いことで勢いがあるのが「サーナイトex」です。

戦績:ドラグーン周南 優勝
開催日:2025年3月30日
【デッキコード】RyypXM-lqlrUG-yMS3Mp
「リファイン」による安定感がなくなったものの、一度盤面を整えてしまえば対応力は高いのでCL宮城でも活躍が期待されています。
構築のトレンドとしては《マシマシラ》の採用枚数が2枚になってきています。
その他エネルギーをトラッシュに貯める手段として、《パーフェクトミキサー》に加えて《探検家の先導》が採用されるようになってきています。
上位デッキとの相性はこんな感じです。
デッキタイプ | 相性 |
---|---|
ドラパルトex | 有利 |
タケルライコex | 有利 |
ブリジュラスex | 有利 |
リザードンex | 不利 |
「リザードンex」の構築トレンド
「ドラパルトex」以外には誰にでも勝てる強力なデッキの「リザードンex」。

戦績:BOOKOFFアクロスプラザ佐世保店 優勝
開催日:2025年3月29日
【デッキコード】QLnPNQ-9Ki7yH-nnQHgn

戦績:BOOKOFFアクロスプラザ佐世保店 準優勝
開催日:2025年3月29日
【デッキコード】ypSS3E-zC36Tv-ypyXyS

戦績:Super KaBoS 二の宮本店 準優勝
開催日:2025年3月23日
【デッキコード】yXMypy-P0lNTZ-SRSypy
構築は「ピジョット型」「宝石型」「ノココッチ型」の3タイプがあります。
レギュ変直後には「宝石型」が流行していましたが、グッズロック+手札干渉の動きに対応することができず、この動きをしてくる「ドラパルトex」に対抗するために「ピジョット型」に移行していきました。
ただ「宝石型」も《シェイミ》の採用率が低い点をついて、ベンチ狙撃を通す勝ち筋を採用して「リザードン型宝石バレット」のような構築で「ドラパルトex」に対抗しています。
「ノココッチ型」や「ピジョット入りの宝石型」などのも含めてどの構築にも理があるので、非常に悩ましいです。
「ドラパルトex」にもある程度戦える構築はできてきているので、CL宮城での活躍に期待しているデッキの1つです。
デッキタイプ | 相性 |
---|---|
ドラパルトex | 不利 |
タケルライコex | 有利 |
ブリジュラスex | 有利 |
サーナイトex | 有利 |
「シロナのガブリアスex」の構築トレンド
「シロナのガブリアスex」は発売前から注目されていたデッキですが、当初の想定とは異なり「ユキメノコ型」デッキが活躍しています。

戦績:BOOKOFF307号枚方池之宮店 優勝
開催日:2025年3月28日
【デッキコード】JDx8c4-c9ClXK-D88JcY
基本的には《ヒビキのウソッキー》でバトル場を縛っている間に《ユキメノコ》の特性でダメカンを乗せる戦術を取ります。
そのため「ユキメノコ」に「シロナのガブリアスex」が混ざったと言った方が良いかもしれませんが、《シロナのガブリアスex》の足りないで点を《ユキメノコ》と《マシマシラ》で補強できるのでかなり相性が良いです。
上位デッキが「入れ替え札」を採用していないことが多いためこの作戦がはまっているようで勝率を伸ばしており、CLでの活躍も期待できます。
上位デッキとの相性はこんな感じです。
デッキタイプ | 相性 |
---|---|
ドラパルトex | 有利 |
タケルライコex | 不利 |
ブリジュラスex | 有利 |
サーナイトex | 有利 |
CL宮城デッキ分布&優勝予想
ここまでに紹介した各デッキの特徴や相性を踏まえてCL宮城デッキ分布を予想してみました。

CL宮城でも間違いなく「ドラパルトex」「タケルライコex」の2デッキが環境の中心となるでしょう。
対抗馬として有力なのが「サーナイトex」と「シロナのガブリアスex」「リザードンex」。
「ブリジュラスex」と「サーフゴーex」はやや勝率を落としてきているので、CL当日までに打開策を用意できるかが課題です。
優勝予想は「シロナのガブリアスex」としておきます!
「ドラパルトex」「タケルライコex」のように事前のシティリーグで支配的なデッキはCLではなかなか優勝できないので、前回の「ミロカロスex」のようなデッキとして「シロナのガブリアスex」が活躍するという未来があるのではないでしょうか。
結果を楽しみに待ちましょう!!


あわせて読みたい
著者情報
コメント
コメント0件
レビューはありません。