


今年もいよいよポケカの世界大会WCS2024の開催が迫ってきました。
今年はハワイのホノルルにて8月16日(土)~18日(月)の3日間にわたって開催されます。
もちろん日本でも大会の様子は配信されます!
<1日目>
8月17日(土)3時30分~14時30分 配信ページ(ポケモン公式YouTubeチャンネル)
<2日目>
8月18日(日)3時45分~14時15分 配信ページ(ポケモン公式YouTubeチャンネル)
<3日目>
8月19日(日)3時45分~13時00分 配信ページ(ポケモン公式YouTubeチャンネル)
皆さんも早起きして観戦されるかと思いますが、当日の大会は日本とは少しだけルールと使用できるカードが異なります。
WCSをより楽しむために、事前にルールの確認と活躍が予想されるデッキを紹介します!
WCS大会ルールについて
WCSは海外の大会を運営しているThe Pokémon Company International(TPCI)が主催の大会です。
そのため使用できるカードやルールは海外版準拠になります。
視聴するうえで覚えておくべきなのは2点です。
- 「ナイトワンダラー」までのカードのみ使用可能であること
- 50分2本先取制(Bo3)であること
1.「ナイトワンダラー」までのカードのみ使用可能であること
まず「使用可能カードの範囲」いわゆる「カードプール」についてですが、結論から言えば「ナイトワンダラー」までのカードのみ使用可能です。
ポケモンカードは日本と海外で製品の発売時期や収録方法が異なります。
日本では毎月下旬に拡張パックや強化拡張パックが発売されますが、日本以外の国では2~3か月分をまとめて1つのパックとして発売しています。
海外では8月2日に発売された「Scarlet & Violet—Shrouded Fable」が最新セットで、この内容が「ナイトワンダラー」に収録されているカードまでのため日本での最新弾である「ステラミラクル」は使用できません。
「ナイトワンダラー」時点での環境ですから「リザードンex」が《ヨノワール》の進化ラインを手に入れて環境トップに躍り出たタイミングです。
「ステラミラクル」収録の《ブライア》や《ゼロの大空洞》は存在しないので観戦時は覚えておきましょう。
2.50分2本先取制(Bo3)であること
カードプールと並んで影響が大きいのが試合形式です。
ジムバトルやシティリーグ、CLでも日本の大会は基本的にBo1といわれる25分1本先取のルールで行われます。
ところがWCSではBo3、つまりは2本先取制の試合を制限時間50分で行います。
最大でラウンド1に3ゲーム行う必要があるにもかかわらず、時間は普段の2倍しかありません。
日本人が普段通りの速度でプレイすると2ゲームしか終わらないので、1勝1敗で引き分けになるケースが続出します。
サッカーのリーグ戦のようにラウンドの勝利で3ポイント、引き分けで1ポイント、敗北で0ポイントの取得となりますので、引き分けにも価値はありますが、複数回引き分けると予選突破は難しくなります。
そのためプレイ速度を高めたり、勝ち目がない試合には早めに見切りをつけて投了するとなどして時間管理をする必要があります。
出場選手は事前にBo3の練習をしている方が多いとは思われますが、普段からBo3でポケカをプレイしている海外勢と比べると日本勢は経験不足によるビハインドがあると言わざるを得ません。
また、Bo3であることはデッキ評価にも影響があります。
たとえば、「ルギアVSTAR」や「レジドラゴVSTAR」のように安定感に若干不安があるものの、理想の動きをしたら手が付けられないタイプのデッキは評価が上がります。
もし事故率が30%以下であるならば、3ゲーム中2回は勝てるので最高のデッキ選択となります。
その他「カビゴンLO」のような1ゲームに時間がかかるデッキは評価が分かれます。
こうしたデッキは50分で3ゲームを終わらせることはほぼ不可能なので、1ゲーム目の勝敗がそのラウンドの勝敗に直結します。
仮に1ゲーム目を30分かけて勝利すれは、その時点でそのラウンドは引き分け以上がほぼ確定します。
ただし、種ポケモン切れなどの事故で1ゲーム目を落として締うと2ゲーム目以降相手が投了してくれる可能性は極めて低いのでそのラウンドは最高でも引き分けになってしまいます。
「1ゲーム目をとれば勝ち」という点を評価するならばBo3向けのデッキですが「1ゲーム目を落とせば勝てない」という点を重く見るなら絶対にWCSに持ち込むべきデッキではありません。
WCSではこうしたBo3ゆえのデッキ選択や構築、プレイングなども見られるので注視しておいてください。
WCS環境予想

日本の「ナイトワンダラー」時点での環境の実績に加え、Bo3であることを加味するとこのようなTier表になると予想されます。
それぞれ当時のデッキリストを確認しつつ、立ち位置や有利不利を解説していきます。
リザードンex
日本において圧倒的強さを誇った「リザードンex」はWCSでも間違いなく活躍するでしょう。
進化するだけでワザを出すエネルギーを供給できる《リザードンex》をアタッカーとして、《ピジョットex》で状況に応じて必要なカードをサーチして戦うデッキです。
さらに「ナイトワンダラー」では《ピジョットex》を倒された後の立て直しに貢献する《キチキギスex》を手に入れて盤石の布陣となりました。
これに加えて《ヨノワール》の「カースドボム」で相手のサイドと《リザードンex》の打点を調整できるようになったことで非常に対応力が高いくなっています。
これらのカードは海外では発売されたばかりということもあり、先行して2か月近く使用できた日本勢にややアドバンテージがあります。
ただ、安定感が魅力のデッキゆえにBo3というルールにおいては、事故率が高い他のデッキの評価が上がることで相対的に評価が下がってしまいます。
デッキ相性を見ると「タケルライコex」「サーナイトex」に有利でその他の雑多なデッキに負けないという良さがあります。
一方で「ドラパルトex」「レジドラゴVSTAR」「カビゴンLO」には不利でこれらの対抗馬にどの程度対策できるかがカギになります。

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月06日
【デッキコード】55vFVF-KvfNVn-dkfbbk

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月16日
【デッキコード】kdV5dF-pk2iSW-dFdVFf

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月17日
【デッキコード】XSUEE2-K9laky-2MMpMy
レジドラゴVSTAR
この環境最も爆発力があるのが「レジドラゴVSTAR」です。
《レジドラゴVSTAR》のワザ「りゅうむそう」でトラッシュのドラゴンポケモンのワザを使い分けて戦う高速デッキです。
目指すのは《オーガポンみどりのめんex》の特性で草エネルギーをつける、炎エネルギーを手張りする、《エネルギーつけかえ》で《レジドラゴVSTAR》にエネルギーを集めることで2ターン目から《ドラパルトex》のワザ「ワントムダイブ」を使ってサイドを取り進める動きです。
《ルチャブル》の特性と「ファントムダイブ」を合わせることでHP70の種ポケモンを狙い撃ちできる点、《オーガポンみどりのめんex》が《リザードンex》を1撃で気絶させられる点から「リザードンex」に有利なデッキといえます。
同様の手段で《チラーミィ》を処理できるの「ルギアVSTAR」に高打点を出させず制圧することもでき、こちらも有利対面となります。
高速で強力なワザを出せる代わりに《レジドラゴVSTAR》がワザを出すための要求が高いというデメリットもありますが、Bo3ゆえに事故率の高さをある程度無視できるのでWCSでも環境の中心になることが予想されています。
一方で「タケルライコex」のように自身よりも高速で高打点を出せるデッキの相手は厳しく、サイドを2枚ずつ取られてあっけなく負けてしまうこともあります。
「タケルライコex」に勝つためには《レジドラゴVSTAR》で《オンバーン》の「おんみつひこう」を使うことで種ポケモンからのダメージを受けなくして詰ませることを目指します。
ただし、呼び出し札を使われると「おんみつひこう」の効果が切れてしまうので、《ポケモン回収サイクロン》を「レガシースター」で使いまわすなどして、盤面を《レジドラゴVSTAR》1匹のみにする必要があります。
そこまで完璧な詰み盤面を作れなくとも《ナンジャモ》による手札干渉を絡めるだけでもベンチポケモンを呼ばれる可能性は下がります。
今の主流は《かがやくリザードン》を採用してエーススペックに《プライムキャッチャー》を入れた型なのですが、苦手を克服できる《ポケモン回収サイクロン》もWCSでは注目しておきましょう。

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月07日
【デッキコード】Q6QnPL-FWmc7M-PHnggH

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月06日
【デッキコード】c84D8x-xPFGgR-c8JJDc

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月07日
【デッキコード】nNngPQ-Bw68EE-Hg9PQi
タケルライコex
「タケルライコex」はアタッカーの《タケルライコex》に《オーリム博士の気迫》でエネルギーをつけることで高速で高打点を出す速攻型のデッキです。
この環境で最も高速なデッキが「タケルライコex」で、上位デッキのなかでは後攻の1ターン目からポケモンV・exを倒せる唯一のデッキです。
《タケルライコex》のワザでトラッシュするエネルギーを《オーガポンみどりのめんex》で供給するシステムによって毎ターン高打点を出すことができます。
ワザを出すために毎ターン《オーリム博士の気迫》を打つ必要があり、他のサポートが使いにくい不器用さが欠点です。
その点を補うために呼び出し札として《ポケモンキャッチャー》を大量に採用する型が注目です。
高速デッキゆえに事故率も高いのですが、Bo3の利点を活かして《ポケモンキャッチャー》の裏表も含め、3戦中2戦で上振れてラウンドをとるという思考で選択する人も少なくないデッキでしょう。
「レジドラゴVSTAR」「ドラパルトex」に有利な一方で「ルギアVSTAR」に不利で「リザードンex」にもやや苦しいと言われており、立ち位置には若干の不安が残ります。

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月06日
【デッキコード】nH9ggP-uproa0-HNQ9Lg

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月06日
【デッキコード】VdvFFd-HxXx7t-15kvFb

戦績:PJCSTOP4(※変幻の仮面環境)
使用者:クラシマリョウヤ
【デッキコード】HnQgg9-kKBDLL-nggLQn
サーナイトex
「サーナイトex」は「サーナイト」の進化ラインを中心に据えた安定感と妨害力が魅力の後半追い上げ型のデッキです。
「リファイン」の《キルリア》で山札を掘れるので非常に安定した動きができます。
1ゲームが長くなりがちな点はBo3では懸念点ですが、適切にプレイすれば許容できる範囲でしょう。
ドローが進むので対策カードを探しやすく《ワザマシン デヴォリューション》や《マシマシラ》、《改造ハンマー》《ハバタクカミ》などを入れやすいのも魅力です。
プレイや時間配分は難しいですが対応力は非常に高いので強豪プレイヤーが好んでいる傾向があり、プレイヤースキルを踏まえると優勝候補の一角とも言えます。
デッキ相性は「リザードンex」「ドラパルトex」「ルギアVSTAR」に有利、「レジドラゴVSTAR」にはやや不利となっています。

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月13日
【デッキコード】xcJ4cK-qNHLjt-cYcx8Y

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月14日
【デッキコード】gPinNL-Un6iJ9-PHgnNN

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月06日
【デッキコード】cx8GG8-VdTHb6-xG48Jc
ルギアVSTAR
「ルギアVSTAR」《ルギアVSTAR》のVSTARパワーで《アーケオス》2匹展開し毎ターン特殊エネルギー加速を行うデッキです。
事故率はあれど回れば最強というデッキの代表なのでBo3の大会では常に意識から外すことができません。
日本の「ナイトワンダラー」環境では「チラチーノ型」が流行していましたが、WCSに向けた調整の中で基本エネルギーを採用した型も出てきているようです。
これは《チラチーノ》の進化ラインが「レジドラゴVSTAR」が使ってくる《キュレム》ワザ「トライフロスト」によって複数取りされてしまうことを嫌ったからと言われています。
いずれの方も爆発力があるので、Bo3を追い風に上位に食い込んでくる可能性は十分にあります。
デッキ相性としては明確に有利なのが「タケルライコex」、不利なのが「サーナイトex」です。
ただし、回れば手が付けられないデッキなので相性差をひっくり返すパワーは十分にあります。
デッキ単位での相性よりも、《シンオウ神殿》や《改造ハンマー》などの対策札をしっかりと採用できているかが、勝敗を分けることが多いです。
これらのカードはほぼ「ルギアVSTAR」専用の対策カードになってしまうので、「ナイトワンダラー」発売当時は採用が見送られるケースも多かったように思います。
周りのデッキがどの程度WCS用にチューンしているかが勝敗を分けるでしょう。

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月13日
【デッキコード】QnnHnN-uiM4Sy-LgLLPn

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月06日
【デッキコード】E23ypR-8GjxBL-M2RMpX

戦績:-
サンプルレシピ
ドラパルトex
「リザードンex」に強いために人気なのが「ドラパルトex」です。
デッキとしては《ドラパルトex》でバトル場とベンチにダメカンをばらまきながらサイドを取り進めることを目指します。
デッキのエンジンとしては《ネイティオ》を採用した型と《ピジョットex》を採用した型が人気です。
日本の「ナイトワンダラー」環境では「ネイティオ型」が中心でした。
当時の「ピジョットex型」は《ネオアッパーエネルギー》を採用した型で比較的シンプルな構成でした。
「ステラミラクル」の発売以降は《ヨノワール》の進化ラインが採用され「リザードンex」と双璧を成すデッキになります。
WCSように調整されているのは「ステラミラクル」環境の「ピジョットex型」を未来から逆輸入したような型です。
どちらの方も強力で「リザードンex」に有利なうえ多くのデッキに五分なのが魅力ですが、「タケルライコex」には明確に不利が付きます。
当日の「タケルライコex」の分布と当たり方次第では優勝も視野に入るでしょう。

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月13日
【デッキコード】SEM2Xy-wrBw9e-MXpUyR

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月13日
【デッキコード】yXM2pX-dwchqu-2EpXMU

戦績:ジムバトル優勝
開催日:2024年7月29日(※ステラミラクル環境)
【デッキコード】gNgHnP-UCSK49-PnLgnN
優勝予想
ここまで紹介した6デッキが環境の中心になることは間違いないでしょう。
とはいえその他のデッキに希望がないかといえば、そのようなこともありません。
「リザードンex」にめっぽう強い「カビゴンLO」、「サーナイトex」以外には不利が付かない「赤ロスト」など場合によっては優勝してもおかしくないデッキはいくつもあります。
そんな環境のWCSで優勝予想をするなら私は「サーナイトex」を推します。
しっかりと対策すれば2進化デッキに有利な点、序盤に大差をつけられなければ「レジドラゴVSTAR」や「ルギアVSTAR」とも十分に戦える点を考慮すると上位デッキの全てに決定的な不利つかないのでスルスルと勝ち進んでいくのではないかと予想しています。
皆さんはどのデッキが優勝すると思いますか?是非コメント欄で皆さんの予想をお聞かせください!


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