


ポケモンカードを始めたからにはやはり大会に出てみたいですよね!
初めての大会となると緊張して普段はしないミスをしてしまうことも珍しくありません。
今回は初心者が大会でやりがちなルールミスやプレイエラーを紹介します。
あらかじめどんなミスが起こりやすいかを知っておくことで、大会前の心構えをしておきましょう。
困ったらジャッジを呼ぼう
審判を呼ぶとなると少し緊張するかもしれませんが、心配することはありません。
ポケモンカードのジャッジをしている方のほとんどが「ポケカが好きでやっている人」です。
怖い顔をしているジャッジがいるかもしれませんが、それは「公平であろうとするため」にそんな顔をしているだけです。
ジャッジも対戦相手も「一緒にポケモンカードを楽しむ仲間」ですので、何かあったら気軽に相談をして大丈夫です。
なんならジャッジのことは「いつでも相談できるポケカにやたら詳しい人」くらいに思っておくのが良いです。
むしろミスに気が付いているのにジャッジを呼ばないでいると最悪の場合失格になりますので「困ったら即ジャッジ」の精神で大会に臨みましょう。
対戦の準備のミス
ここからは対戦におけるよくあるミスを例示していきます。
まずは対戦の準備のミスからですが「いくら何でも対戦がはじまる前にミスする事なんてないよ!」と思う方がいるかもしれませんね。
そんなことはありません!めっちゃミスります。
カードゲームを20年以上はやっている私でも未だにミスります!
そういうわけなので、対戦前からしっかりと気を引き締めておきましょう。
準備段階でよく起こるミスは以下の4つです。
- スタートできないポケモンがバトル場にいる
- サイドの置き忘れ
- シャッフルの方法
- マリガン(カードの引き直し)
1.スタートできないポケモンがバトル場にいる
これは大会でたまに見かけます。
例えば「カースドボム」の進化ラインを「AR」にしていると、見間違えて《サマヨール》をバトル場に伏せてしまうことがあります。
色味が同じ過ぎるんですよね。
その他最近は使われていませんが《レントラー》でスタートしている人も見たことがあります。
私も《レントラー》は「すぐに場に出せるカード」として認識しているので、間違えてしまうのも分かります。
最近のカードだと《古びたふたの化石》《古びたはねの化石》は要注意です。
これらは種ポケモンとして場に出せるグッズですが、対戦準備の段階でバトルポケモンとして場に出すことはできません。
あくまでグッズとして使うときにポケモンになるカードとして覚えておいてください。
このように間違えやすいカードは思いのほか多いです。
対戦準備の途中ならバトル場のカードを変更することもできますので、開始前に何度か確認するようにしましょう。
ただ、手札の引き直しなどが行われている場合は少し面倒になりますので、築くのが遅れたときはジャッジを呼んでどうするべきか確認して下さい。
2.サイドの置き忘れ
「サイドの置き忘れ」もちょくちょく起こります。
初期手札を7枚確認してどのポケモンをバトル場に出すか真剣に考えていると忘れるんですよね。
この場合もとりあえずジャッジを呼んでどうするか確認しましょう。
ポケカのルールミスは基本的に復元可能な場合は「注意」か「警告」で済みますので、初期手札の7枚以外のカードを見ていない状態ならそのまま山札の上から6枚を置いてゲームが始まるはずです。
問題は相手のマリガンやターン開始時のドローをしてから気づいた場合です。
この場合は本来サイドに置くべきカードが見えてしまっているので、復元ができない状態になってしまっています。
そうなるとサイドペナルティが付くことがありますので、対戦準備では「バトル場のポケモン」「サイドの枚数」「手札の枚数」をしっかり確認しておきましょう。
3.シャッフルの方法
これはルールミスというよりは知らずに違反してしまう場合があるので注意しましょうという話です。
まず覚えておいてほしいのが「シャッフル=山札を無作為の順にする行為」ということです。
方法はどんなものでもよいのですが「無作為」になっていることが重要です。
例えば、対戦前などは山札の1番下のカードが見えていたりしますよね。
この状態から2~3回カットしただけでは1番下に合ったカードがどこに移動したかざっくりと予想できますよね。
こういう状態は無作為ではありません。
その他、シャッフルの前にカードを種類ごとに並べる行為も絶対にやってはいけません。
「ポケモンの束」「グッズの束」「サポートの束」「エネルギーの束」というように分けてからシャッフルすると、同じカードが集まったりしないのでよく混ざっているように感じます。
「よく混ざっているように感じる」ので、何も知らずに初心者や高校生以下のプレイヤーがやっているのを目にしますが明確なイカサマ行為です。
この方法でシャッフルすると「ポケモン」「グッズ」「サポート」「エネルギー」がバランスよく散らばるので、驚くほど事故率が下がります。
意図的にバランスよくカードが散らばるように並べるシャッフルなので、全く「無作為」の状態にする気がないシャッフルです。
重大な違反行為ですので間違ってもやらないようにしておきましょう。
それでは適切なシャッフルとはどんなものなのでしょうか。
日本のポケモンカードではシャッフル方法に関する詳しいルールはないのですが、海外版ポケカや他のカードゲームで定められているのは以下のようなルールです。
- 7回以上ファローシャッフル(横入れ)をする
- 2種類以上のシャッフル方法を組み合わせる
ファローシャッフル(横入れ)を7回以上というのは海外版ポケカのルールです。
非常によく混ざるイメージのあるですが数回だけでは思ったよりも混ざりません。
数学の論文で7回目を超えると急激に無作為化されるというものがあり、それがこのルールの根拠になっています。
2種類以上のシャッフル方法を組み合わせるというのは、元祖カードゲームで公式のプロリーグもあるMTGのルールです。
私もプレイしていますが対戦開始前にはディールシャッフルとファローシャッフルを組み合わせている人が多いですね。
相手にシャッフルが不十分だという理由でジャッジを呼ばれるのも面倒なので、可能な限りしっかりシャッフルするようにしましょう。
4.マリガン(カードの引き直し)
対戦開始時、デッキをシャッフルして手札を7枚引くところまでは基本的なルールなので問題ないですよね。
しかし、その7枚にたねポケモンがいない!となったときに、慌てて手札をデッキに戻していませんか?
実はこの場面、チャンピオンズリーグの2回戦で隣の卓で発生したプレイエラーなんです。
お互いたねポケモンがいなかったようで、対戦相手の方は手札を公開しようとしたのですが、もう片方のプレイヤーが慌てて手札をデッキに戻そうとしていました。
それを見た対戦相手が「手札を見せてください」と優しく指摘していました。
ポケモンカードのルール上でも、両者が手札にたねポケモンがいないことを確認してから、手札をデッキに戻してシャッフルし、再度7枚引き直すことになっています。
見せないと本当にたねポケモンがいないのかわかりませんからね。
また、片方だけがたねポケモンを持っていなかった場合の手札公開のタイミングにも注意が必要です。
相手がたねポケモンをバトル場に置き、サイドカードを6枚置いた後に、自分が手札にたねポケモンがいないことを確認してもらうのが正しい手順です。
※初心者向けの「ポケモンカードゲームのあそびかた」ページには書いてありませんが、上級プレイヤー用ルールガイドに詳しく記載があります。
(Ⅰ遊びかた説明書の補足→G 対戦準備 の項目内)
相手が先に手札を確認してしまうと、こちらのデッキに応じて出すポケモンを変えられてしまうので、不利にならないためにも細かいルールをしっかりと覚えておきましょう!
対戦中のミス
大会では1日に何回戦もするので終盤になるとミスも増えてきます。
意識していてもミスを減らすのは難しいので、習慣にしてしまうのがおすすめです。
対戦中のミスは本当に多岐にわたるのですが、代表的なもののうち行動次第でミスを減らせるものを5つピックアップしました。
- ターン制限のある行動を2回してしまう
- 効果やルールの処理忘れ
- 使えない特性の使用
- デッキカードの並べ替え
- コイントスのやり直し
1.ターン制限のある行動を2回してしまう
サポートを2枚使用したり、《ピジョットex》の特性「マッハサーチ」を2回使ってしまうなどのミスですね。
非常によくあるミスなので、対策方法をわかりやすいです。
サポートの場合はその番に使ったサポートをトラッシュに送らず場に置いておくのがわかりやすいです。
ポケモンの特性であれば、使用したものを斜めにする、使用済みのマーカーを置くなどの方法があります。
どちらも手軽で効果的なので多くのプレイヤーが実践しています。
となると問題は「エネルギーの手張り」と「スタジアムの張り替え」です。
この2つは覚えておく以外の方法がないので、しっかりと宣言してから行うことで相手にも覚えておいてもらうというのが有効かと思います。
2.効果やルールの処理忘れ
サイドの取り忘れやポケモンチェックのダメカンの置き忘れなどです。
その場で気付いて復元できる場合は警告で済みますが、本来見られないカードを見てしまったりした場合はサイドペナルティが発生します。
特にサイドカードの取り忘れは、よくあるプレイエラーです。
「ポケモンを倒した後にサイドを取り忘れるなんて、そんなことあるの?」と思うかもしれませんが、実はワザの効果を先に処理する際に起こりがちなミスなんです。
こうなってしまうと多くの場合は、次の相手のターン中に《ナンジャモ》などが使われて、初めてサイドを取り忘れていたことに気が付きます。
《サマヨール》や《ヨノワール》の特性「カースドボム」の処理時にも、こうしたミスがよく見られます。
このようなミスを防ぐためには、お互いにサイドを取るタイミングに注意を払うことが重要です。
・対戦相手がサイドを取るときは、相手がサイドを取り終えるのを確認してから自分のターンを開始する
・自分がサイドを取るときは、サイドを取ってから相手にターンを渡す
といった丁寧な処理を心がけましょう。
3.使えない特性の使用
これは頻繁に直面する事態です。
最もやらかしがちなのが《キチキギスex》の特性「さかてにとる」です。
この特性は前の相手のターンに自分のポケモンが気絶していないと使えません。
特に《ユキメノコ》の特性「いてつくとばり」で気絶したときに間違えます。
「いてつくとばり」はポケモンチェックに発動する特性ですが、ポケモンチェックというのは誰のターンでもありません。
そのため相手のターン終了後のポケモンチェックで自分のポケモンが気絶した場合、「さかてにとる」の発動条件は満たされません。
これは同じようにポケモンチェックでダメカンを乗せる「どく」や「やけど」でも同じです。
一方で、気絶していればワザのダメージでなくても構わないのはいいところです。
《ヨノワール》の「カースドボム」など特性によって気絶しても発動条件は満たせるので覚えておきましょう。
実際に相手のターン中に自分のポケモンがきぜつしていないにもかかわらず、特性「さかてにとる」を使用してしまったことがあります。
対戦相手に指摘されたのですが、その場ですぐに手を止めジャッジを呼びました。
対戦相手の協力もあり、引いたカードは判別可能な状態でしたが、引いた際にカード自体は見てしまっていたため、その旨をジャッジに伝えました。
(手札に加える前に山札の横に置いていたため、引いたカードが判別できる状態でした。)
ジャッジの裁定は、見てしまったカードを山札に戻してシャッフルするというものでした。
(直前に《ナンジャモ》などのカードを使用していなかったため、山札の中がランダムの状態で原状復帰が可能という判断でした。)
その結果、サイドペナルティはなく、警告のみで事態は収まりました。
この後からは、こうしたミスが起こさないように、次のようなプレイ手順を意識するようになりました。
まず、特性を使用する前に盤面をしっかり確認し、明確に「特性『◯◯』を使用します」と宣言することです。
相手の反応を確認してから処理を進めることで、両者が確認のもとプレイエラーを極力防ぐことができます。
ちなみに相手がえらーに気づいているのにペナルティを与えるためにわざとドローしてから指摘した場合は、相手にもペナルティが付与されます。
せこいことは考えずに気づいたらすぐに指摘しましょう。
特性がドロー系の効果である場合は特に注意が必要で、1枚ずつ丁寧に引くことで二次被害を予防することにもつながると思います。
(複数枚を一度に引くと、さらなるプレイエラーを引き起こす原因にもなりかねません)
今回、引いたカードを判別できたのは、1枚ずつドローし、手札に加える前に山札の横に置くようなクセを付けていたからでした。
上級者は複数枚一度に引いてもこのような問題は起こらないかもしれませんが、自分と同じようにまだプレイエラーを起こしがちという方には、少しだけ意識を変えることで致命的なミスを減らすことができると思うので、参考にしていただければ幸いです。
4.デッキカードの並べ替え
ポケモンカードではデッキの中身を見る効果を持つカードが大量に存在しますが、その効果処理中に山札の順番を並べ替えてはいけません。
これは「警告」に相当する違反行為となっています。
処理の後にしっかりとシャッフルをすれば問題ないだろうとも思いますが、現在はそういうルールですので従いましょう。
ポケカのおかしなルール(時間切れ後の投了不可など)は少しづつ修正されてきているので、このルールも数年後にはなくなっているかもしれませんね。
5.コイントスのやり直し
ポケカには《クラッシュハンマー》や《ポケモンキャッチャー》など、コイントスを必要とするカードがいくつかあります。
実は、コイントスもルールで投げ方が指定されていることをご存知でしょうか?
公式HPの「ポケモンカードのあそびかた」→「対戦に使うもの」→「ポケモンコイン」の項目には、
「親指を中に入れて軽く手を握り、その上にポケモンコインをのせましょう。空中でコインが3回転するように、親指ではじきます。」
と記載されています。
つまり、コイントスはきちんと3回転以上するように、少し強めに飛ばさなければならないのです。
不器用な方には少し難しいかもしれませんが、これはルールなので公平性のためにも守りましょう。
対戦相手のコイントスの回転数が足りない場合は、「3回転以上するようにもう一度お願いします」とすぐに言えるようにしておきましょう。
自分が足りなかった場合は速やかに申し出ましょう。
ちなみにコインの回転が不十分としてジャッジを呼ぶと、ほとんどの場合コイントスをやり直すことになります。
ジャッジは最初のコントトスを見ていないので当然なのですが、私が「ミュウVMAX」を使っていた時このルールを悪用して《ウッウロボ》のコインが表の時だけジャッジを呼ぶ輩と対戦したことがあります。
1回目で裏が出た場合はそのまま進行するので、私が《ウッウロボ》でカードをサーチできる確率は2回連続で表になる25%のみとなりました。
最強の作戦に見えますが、何度もやっていると「詐称行為」「意図的な違反行為」としてジャッジにマークされて最悪の場合「出場停止処分」が下されますので、絶対に真似しないようにしましょう。
私はその大会以降コインは使わずダイスを振るようになりました。(もともとコインは不正をしやすいツールなので避けられるのならその方が良い)
ポケモンカードでは、対戦相手の同意があればコインの代わりにダイスを使用することができます。
(基本的にダイスの使用を断る理由はありません。断ってくる人は他の行動にも変なこだわりがあったりしますので、対戦中は気を付けて観察しましょう)
「バックギャモン」などで使われる「プレシジョンダイス」という「出目の偏りを極限まで抑えたダイス」を使うことで「不正する気はありません」と態度で示すのもいいでしょう。
プレイエラーしてしまったら
何度もお伝えしていますが、まずはその場で手を止めて、ジャッジを呼びましょう。
(対戦相手も含め、手札を置いて現状維持に努めることが重要です。)
ジャッジが来たら、まず正確に状況を伝えます。
初歩的なことですが、2人のプレイヤーが同時に話すとジャッジにスムーズに状況を伝えられなくなりますので、相手が話している間は黙っておきましょう。
ジャッジは対戦相手が伝えた内容に誤りがないか必ず確認してくれますので、補足や訂正はこのタイミングで行いましょう。
伝える際には、以下のポイントを簡潔に伝えることが大切です。
・今はどちらのターンなのか
・何が起こったのか
・直前の流れ
ジャッジはこれらの情報をもとに、適切な判断を下し、スムーズなゲーム進行をサポートしてくれるはずです。
どちらのプレイヤーがジャッジと会話をするかということは決まっていませんので、ポケカを始めたばかりでうまく状況を説明できないと思ったら対戦相手に説明をお願いしてしまってもいいでしょう。
4.おわりに
プレイエラーは誰にでも、どんな状況でも起こりうるものです。
大事なのは、プレイエラーを悔やんで反省することではなく、可能な限りゲームの進行をスムーズに行うために修復することです。
反省は後からでもできます!
とにかくすぐにジャッジに報告し、ジャッジの判断を仰ぎ、試合を最後まで進めることを目指しましょう。
何事も冷静に対処することが、より上達するためにも必要な第一歩です。
プレイエラーからも学び、上達していきましょう!


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