


本日10月27日(金)発売のスカーレット&バイオレットシリーズの最新強化拡張パック「古代の咆哮」「未来の一閃」に収録されているカードの中には、非常に強力なものが多く大会でも活躍が期待されています。
今回はそれらのカードの中で、非常に間違いやすい、または複雑な処理をするカードの処理を解説いたします。
《テツノカイナex》の「ごっつあんプリファイ」
まず最初に解説するのは今弾の最注目カード《テツノカイナex》です。

テツノカイナex
ワザ:アームプレス 160
ワザ:ごっつあんプリファイ 120
このワザのダメージで、相手のポケモンがきぜつしたなら、サイドを1枚多くとる。
にげる
無無無無
《テツノカイナex》が注目されているのは、下のワザ「ごっつあんプリファイ」によって追加のサイドを取ることができる点です。
ただここで問題になるのが、「ワザの効果を受けないポケモン」をきぜつさせたときの処理です。
「白ルギア」でよく使われる《カビゴン》は「ワザの効果を受けない」特性の「へいきなしぼう」を持っています。
《テツノカイナex》で《カビゴン》をきぜつさせたとき取れるサイドは何枚になるのでしょうか?
カビゴン
特性:へいきなしぼう
このポケモンは、相手のポケモンが使うワザの効果を受けない。
ワザ:どっすんグースカ 180
このポケモンをねむりにする。このねむりで投げるコインは2回になり、すべてオモテが出ないと回復しない。
にげる
無無無無
正解は、2枚です。
「ワザの効果を受けないポケモン」をきぜつさせた場合でも、問題なく「ごっつあんプリファイ」の効果は発動されます。
これは効果が影響する対象の違いが理由です。
《カビゴン》の「へいきなしぼう」のような特性は、「ポケモンに対して影響する能力」を防ぐことができます。
ところが「ごっつあんプリファイ」の効果はポケモンに対して発動しているわけではありません。日本語としては省略されてしまっていますが、「サイドを1枚多くとる。」の対象は「プレイヤー」です。
屁理屈のような気もしますが「ワザの効果を受けないポケモン」では「プレイヤーに対して影響する能力」を無効にすることはできませんので、この場合「ごっつあんプリファイ」の効果は問題なく発動されるのです。
このルールが理解できた方にもう一問、「ごっつあんプリファイ」で《カビゴンドール》をきぜつさせた場合は何枚サイドを取れるのでしょうか?
カビゴンドール
効果
対戦準備でポケモンを場に出すとき、このカードが手札にあるなら、このカードをHP120のタイプのたねポケモンとして、ウラにして場に出してよい。(このカードは、対戦準備以外では場に出せない。)
自分の番の中でなら、場に出ているこのカードをトラッシュできる。
このカードは、特殊状態にならず、にげられない。このカードがきぜつしても、相手はサイドをとれない。
こちらは0枚が正解です。
《カビゴンドール》のテキストの「このカードがきぜつしても、相手はサイドをとれない。」という効果は「プレイヤーに対して影響する能力」です。
お互いに「プレイヤーに対して影響する能力」ですから、両方の能力が有効なのですが、「サイドを1枚多くとる」という能力はそもそもサイドを取れない状態なら意味がありません。
そのため、「ごっつあんプリファイ」で《カビゴンドール》をきぜつさせた場合はサイドを一枚も取ることができません。
《テツノブジンex》の特性を使えるタイミング
《テツノカイナex》と並んで注目されているのが《テツノブジンex》ですが、こちらにも意外な裁定があります。
公式サイトのQ&Aには特性「タキオンビット」を使用できるかどうかに関する質問がいくつもありますが、簡単に言うと自分の番ならどのようにバトル場に出ても使用できます。
逆に相手のターンではどのように出ても特性は使用できません。

テツノブジンex
特性:タキオンビット
自分の番、このポケモンがベンチからバトル場に出たとき、1回使える。相手のポケモン1匹に、ダメカンを2個のせる。
ワザ:レーザーブレード 200
次の自分の番、このポケモンはワザが使えない。
特別なルール
ポケモンexがきぜつしたとき、相手はサイドを2枚とる。
にげる
無無
このカードを見たときに、一番最初に思いつくのは《ポケモンいれかえ》や《いれかえカート》などの入れ替え系のグッズを使用して繰り返し特性を使うことだと思います。
ですが、《テツノブジンex》の活用方法はそれだけにとどまりません。
《レジエレキV》や《ミュウV》などのように、バトル場を離れる効果を持つワザを使ったことによって《テツノブジンex》がバトル場に出た場合でも特性「タキオンビット」は使用できます。
これには筆者も驚きました。ワザを使った後に特性を使うタイミングが合ったんですね。
ただし、「ポケモンチェック」の時に「どく」によって自分のポケモンがきぜつして、《テツノブジンex》がバトル場に出ても特性は使えません。
これは「ポケモンチェック」が自分の番ではないためです。

(引用:ポケモンチェックと特殊状態 | ポケモンカードゲームトレーナーズウェブサイト | 2023年10月27日)
《テツノブジンex》の特性「タキオンビット」については「自分の番ならいつでも使える」「ポケモンチェックは自分の番ではない」の2点だけ覚えておきましょう!
《トドロクツキex》効果処理の順番
最後に紹介するのは、《ギラティナVSTAR》と似た能力を持っている《トドロクツキex》です。

トドロクツキex
ワザ:くるいえぐる
相手のバトルポケモンをきぜつさせる。その後、このポケモンに200ダメージ。
ワザ:カラミティストーム 100+
のぞむなら、場に出ているスタジアムをトラッシュする。その場合、120ダメージ追加。
特別なルール
ポケモンexがきぜつしたとき、相手はサイドを2枚とる。
にげる
無無
強制的にきぜつさせる能力「くるいえぐる」は強力ですが、デメリットで自身にも200ダメージが入ります。
これによって両者が同時にきぜつする場合があるので、その際の処理順を解説します。
1.《トドロクツキex》のワザ「くるいえぐる」を宣言
2.相手のポケモンがきぜつ(まだトラッシュはしない)
3.きぜつした場合《トドロクツキex》に200ダメージ
4.《トドロクツキex》のきぜつの確認
5.きぜつの処理(ポケモンをトラッシュして、きぜつした際に働く効果があれば解決する)
6.サイドを取る(同時に気絶した場合は同時にサイドを取る)
7.バトル場に次のポケモンを出す (同時に気絶した場合は相手から出す)
細かく説明しましたが、重要なのは「同時に気絶した場合は同時にサイドを取る」「同時に気絶した場合は相手から出す」という点です。
さらに限定的な状況ですが、《トドロクツキex》のワザ「くるいえぐる」によってお互いのポケモンがきぜつして、両者がサイドを取り切った場合についても解説します。
この場合は、まず別のポケモンをバトル場に出します。その際、どちらかのプレイヤーがポケモンをバトル場に出せなかったならそのプレイヤーの敗北となります。
どちらのプレイヤーもポケモンを出せなかった、またはどちらのプレイヤーもポケモンを出せた場合は引き分けとなります。
その他、「へいきなしぼう」の《カビゴン》に「くるいえぐる」を使った場合、カビゴンはきぜつしませんので「その後」の処理として《トドロクツキex》に200ダメージが入ることはありません。


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